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院長ご挨拶




2015年6月
(平成27年6月)


国立病院機構東埼玉病院は昨年9月に開院70周年をむかえました。

さきの戦争も敗色濃い中、戦地で結核に罹患して帰国した将兵を治療するために、昭和19年9月30日に柏の陸軍病院から初めての患者を迎えた事が当院の始まりでした。開院にあたっての地元の皆さまのご協力は絶大であったとの記録が残されております。最も多いときで850人を超える結核患者が入院していましたが、治療法の進歩とともにその数は減少し、現在では結核病床は30床を数えるのみですが、なお現在も埼玉県の結核医療の拠点であり続けております。

当院はこのように当初から慢性疾患の専門病院として役割をはたしてきました。これは現在も全く変わることのない伝統です。結核患者の減少とともに、筋ジストロフィー、神経難病、重症心身障害、エイズ、膠原病など他の医療機関では容易に診療しがたい領域の医療を手がけ、国民のみなさまにとってなくてはならない存在となっておりますが、一方では地域医療の面では存在感が乏しかったということも反省すべき事実でした。

昨年は東埼玉病院が平成16年4月に独立行政法人国立病院機構の1病院として再出発して10周年を迎えた年でもありました。この10年間私たちはこれまでの専門性の高い慢性期医療を発展させつつ、どのように地域の皆さまにお役に立てるかを模索してきました。その中で得られた結論は、今後の高齢化の進展の中で、これまで難病医療で培ってきた在宅医療を、全国のトップをきって進行しつつある高齢化をふまえ、高齢者医療の中で発展させていくということであります。

現在、総合診療科が訪問診療を実施する一方、地域の急性期病院と連携して回復期リハビリテーション病棟を運営しております。蓮田白岡宮代在宅医療推進協議会で医師会や自治体と協力し、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、ヘルパーなど多職種のみなさまと連携しながら、地域の高齢者医療を広く支えていくことが私たちに課せられた使命であると考えております。

2015年4月に国立病院機構は非公務員型の独立行政法人に移行しました。国の施策に密接に関係する仕事を公務員の立場をはなれて実施していく存在として、これまでにも増して広く国民のみなさま、そして地域のみなさまのお役に立てるよう努力していく所存ですので、変わらぬご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。


東埼玉病院 院長
川井 充

■過去のご挨拶

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