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ポンペ病

ポンペ病について

ポンペ病(糖原病Ⅱ型)は酸性マルターゼ(酸性アルファグルコシダーゼ)という酵素の働きがないためにおこる遺伝性の筋肉の病気です。
ポンペ病は発症年齢や症状によって乳児型と遅発型に分けられます。 乳児型はフロッピーインファントとして生まれ、心不全の症状が強く、9割の方が2歳までに亡くなります。 遅発型は小児期あるいは成人後に症状があらわれ、うでや脚の力が弱く階段の昇降や立ち上がり動作、洗髪や高いところにものを持ちあげる動作が難しくなります。これに加えて呼吸に必要な筋肉が悪く、起床時の頭痛や動作時の息切れなどが現れます。
遅発型ポンペ病の診断はむずかしく、症状が筋ジストロフィーに似ているために、肢帯型筋ジストロフィーと診断されていることが多いと思われます。

酵素補充療法について

ポンペ病は酸性マルターゼが遺伝的に欠損しているためにおこるので、欠けている酵素を補充することで症状の改善が期待できます。
最も劇的に改善するのは乳児型で、臨床試験の結果、酵素補充療法を行うと2歳ではほとんど死亡しないようになることがわかりました。
遅発型の効果はこれほど劇的ではありませんが、階段が昇れなかった方が昇れるようになったりした例があります。外国で遅発型に対して実施した臨床試験では6分間の歩行距離が延長したり、呼吸機能低下の進行が抑制されたりしたと報告されています。

治療の機会を失わないために

ポンペ病の酵素補充療法は平成19年から保険診療の対象になりました。ポンぺ病は従来からライソゾーム病として難病(特定疾患)に指定されており医療費の公費負担を受けることができます。ポンペ病と診断を受けていないため適切な治療を受けていない方が多数いらっしゃると思います。これまで原因不明の(*)肢帯型筋ジストロフィーと診断されている方、特に呼吸機能が低下している方はポンペ病である可能性がありますので、専門医を受診してご相談になることをお勧めいたします。

(*)原因不明の肢帯型筋ジストロフィー
肢帯型筋ジストロフィーは1つの病気ではありません。原因遺伝子によっていろいろな型に分類されています。1A型、2B型など、型がはっきりわかっている方はポンぺ病ではないと考えられます。

ポンペ病診断治療ガイドライン

ポンペ病診断治療のガイドラインが作られました。ポンペ病についてくわしく説明されています。筋ジストロフィー臨床研究班のホームページ http://www.pmdrinsho.jp をご覧ください。

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